時間単価契約と成果物契約、システム開発で選ぶべきはどちら？

システム開発を依頼する際、どのような契約形態を選ぶかも重要なポイントです。

一般的な契約形態には「時間単価契約」と「成果物契約」があり、それぞれにメリットとデメリットがあります。

プロジェクトの目的や規模に応じて最適な方法を選択するために、各契約方法の特徴を理解しておきましょう。

時間単価契約

時間単価契約（タイムチャージ契約）は、開発にかかる時間に応じて報酬を支払う契約方法です。この方法は、要件や仕様が変動しやすいプロジェクトや、長期にわたる開発でよく採用されます。

メリット

柔軟な対応が可能

開発途中での要件変更や仕様追加がしやすく、柔軟な対応が可能です。

進行状況に応じて調整できる

開発が進む中で新たなニーズが生まれた場合でも、スケジュールや機能を調整しやすいのが特徴です。

短期・部分的な依頼に適している

開発の一部のみを依頼する場合や、短期間で完了する作業に向いています。

デメリット

コストが不確定

作業量に応じて費用が増減するため、プロジェクトの総コストが不明確になりがちです。

納期が不明確になりやすい

件の増減や調整によってスケジュールが変動するため、納期が確定しにくくなることがあります。

向いているプロジェクト

• 要件や仕様が確定していないプロジェクト
• プロトタイプ開発や試行的なプロジェクト
• 長期にわたるプロジェクトで段階的に成果を見たい場合

成果物契約

成果物契約（固定費契約）は、納品物に対してあらかじめ決めた金額を支払う契約方法です。プロジェクトの開始時に要件が確定している場合に適しており、主に短期・中規模の開発で採用されます。

メリット

コストが固定される

依頼する内容や納品物に対して料金が事前に決まっているため、予算管理がしやすく、コスト面の安心感があります。

納期が明確

納品日が契約で定められているため、スケジュールが明確で、事前の計画が立てやすいです。

完成までの流れがスムーズ

開発内容が事前に固まっているため、計画に従ってスムーズに進行しやすいです。

デメリット

要件変更が難しい

開発が進んでからの仕様変更や機能追加が難しく、対応する場合には別途追加費用が発生することが一般的です。

柔軟な対応が難しい

進行中の調整がしにくいため、プロジェクトが予想外の方向に進む場合は難しい対応が求められます。

向いているプロジェクト

• 要件や仕様が明確で、変更の可能性が少ないプロジェクト
• 短期または中規模の開発で、最初から完成形が見えている場合
• 固定の予算内で確実に開発を終わらせたい場合

どちらを選ぶべきか？

プロジェクトの性質によって最適な契約方法は異なります。以下のポイントを参考にして選びましょう。

まとめ

どちらの契約方法にも利点と課題があり、プロジェクトの目的や要件に合わせて最適な方法を選ぶことが重要です。最初に要件が固まっていれば成果物契約が、流動的な場合は時間単価契約が理想的です。

各契約方法の特徴を理解し、目的に合った選択をしましょう。